「チョコレート色の温泉」亀山温泉ホテル|鴇田さん

「守る経営」から「育てる経営」へ。
3代目が挑む、老舗温泉の未来づくり。
鍬田: 私はこれまで様々な会社のブランディングを手がけてきましたが、単に「おしゃれでかっこいい」だけでなく、「いかに価値を伝え、高められるか」という本質を大切にしています。今回、3代目に特化したメディアでの取材として、鴇田さんの「チョコレート色の温泉」という素晴らしい資源を活かした事業展開についてぜひお話を伺いたいと思っていました。最近の事業状況はいかがですか?
鴇田: ありがとうございます。2018年に代を引き継いだ当時は売上が約1億円でしたが、現在は2億円を超える規模まで伸びています。宿泊業だけでなく、グランピングの運営受託や温泉の配達事業、リトリート研修など、多角的に事業を広げているところです。
鍬田: 売上倍増はすごいですね!「令和の虎」への出演も拝見しましたが、かなりの反響があったのではないですか?
鴇田: はい、放送直後はホームページへのアクセスが通常の15倍に跳ね上がりました。温泉の配達事業についても、現在はホテルやグランピング施設、旅館など数件の実績があります。うちの温泉はpH8.4の弱アルカリ性で肌に優しく、家庭用の設備を傷める心配もほとんどありません。
鍬田: 温泉のデリバリーは非常にユニークな強みですよね。今後、さらに新しく取り組みたい構想などはありますか?
鴇田: 実は、ホテルの目の前にある亀山湖を活用したエンターテインメントを考えています。湖と対岸の山を舞台に、レーザー照射と音を駆使したショーを行い、宿泊客だけでなく地域の方も楽しめる「ナイトエコノミー」を創出したいんです。
鍬田: それは面白いですね!私の知人に、金閣寺などでプロジェクションマッピングを手がける「デジタル掛け軸」の第一人者がいますので、ぜひご紹介させてください。ただ、こうした新しい挑戦には資金や体制も必要ですよね?
鴇田: おっしゃる通りです。手元キャッシュが薄く、追加の借り入れが難しいという課題があります。また、深刻な人手不足により、稼働日を絞らざるを得ないのが現状で、これが売上のボトルネックになっています。
鍬田: 採用に関しては、私のネットワークから優秀なコンサルタントや、グローバルな人材紹介も可能です。資金面についても、単なる借り入れだけでなく、外部資本の導入(エクイティファイナンス)や、戦略的なM&Aという選択肢もあります。例えば、一度事業を譲渡して資本を入れて立て直し、将来的に買い戻すという形も考えられます。
鴇田: 「買い戻す」という発想は理想的ですね。今は経営状態が苦しく、このままでは3人の息子たちに自信を持って継がせることができません。息子たちが「この場所を守りたい」と思えるような、魅力ある会社にすることが私の使命だと思っています。
鍬田: その熱い思いがあれば、必ず道は開けます。もう一つの構想として仰っていた「温泉の濃縮事業」についても詳しく教えていただけますか?
鴇田: はい。輸送コストを抑えるために、温泉を100倍程度に濃縮、あるいはタブレット化したいと考えています。これが実現すれば、外出が困難な老人ホームの方々などへも「本物の温泉」を届けることができます。ホテルの稼働に頼らず、資源そのものを販売するこの事業は、最もやりたいことの一つです。
鍬田: 社会的意義も大きく、B to B、B to C両面で非常に可能性を感じます。投資家にとっても魅力的な話になるよう、一緒に資料をまとめてみましょう。
鴇田: ありがとうございます。温泉という「お金では買えない資源」を活かし、新しい旅館の形を作っていきたいです。
鍬田: ぜひ一緒に進めていきましょう。今後、他の3代目経営者の方々とも繋がりを広げ、このメディアを通じて変革の輪を広げていければと思います。
<時代に合わせてイノベーションポイント>
- 温泉資源の商品化
- 温泉を濃縮・タブレット化し、「宿泊業」から「資源販売」へ事業領域を拡大する。
- 新たな顧客層の開拓
- 老人ホームや在宅介護など、温泉に行けない人へ提供し、新たな市場を創出する。
- 投資家を惹きつける事業設計
- 社会的意義と収益性を両立させ、BtoB・BtoC双方で展開できるビジネスモデルを構築する。
- 地域資源を活かしたイノベーション
- 「お金では買えない温泉資源」を強みに、新しい旅館・観光ビジネスの形を創造する。
鴇田英将さん(亀山温泉ホテル情熱の3代目)

亀山温泉ホテル
所在地: 〒292-0523 千葉県君津市豊田旧菅間田65
電話番号: 0439-39-2121

この記事を書いた人:鍬田 和彦(くわた かずひこ)
3RD 編集長 / ブランドプロデューサー / M&Aバリューアップディレクター
企業のブランド価値向上を専門とし、デザイン・ブランディング・マーケティング・M&Aを掛け合わせた企業成長支援を行う。
「100年企業は日本の宝」という想いのもと、次世代へ事業を受け継ぐ経営者や、3代目・4代目の挑戦を取材・発信するWEBメディア「3RD」を運営。企業の歴史や理念だけでなく、その先にある未来へのビジョンを伝えることを使命としている。
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