「歴史ある美容院に新しい風を」(有)安岡美容院|安岡美保さん

美容室

変える勇気と、変えない誇り。
3代目が挑む、老舗美容院の未来改革。

創業者・先代との葛藤:親子ゆえに経営の根幹を話せないもどかしさや、技術を持たない非美容師として再建できるかという不安を抱えていた。
継承の決断:実妹との覚悟を問う何時間に及ぶ対話を経て、退路を断って継承を決意した。
変えたこと、守ったこと:36年の歴史と「紳士(誠実)」の精神を軸に据えつつ、仕入れの見直しや多角化による収益構造の改革を断行した。
次世代への想い:単なる美容室の枠を超え、人生の後半戦を豊かにする学びやコミュニティを提供する「湘南のライフスタイルブランド」を創る。

1989年の創業から36期目を迎えた「有限会社安岡美容院」。
創業者である父からバトンを引き継いだ安岡美保さんと、クリエイティブの力で事業承継を支援する鍬田氏による、
これまでの葛藤と未来への挑戦を巡る対談をお届けします。

鍬田: 事業承継をされたのは最近だそうですね。何か具体的なきっかけがあったのでしょうか?

安岡: はい、今年正式に承継しました。実は、2020年に自社ビルを購入した頃から後継者の話は出ていたのですが、当時は「5年かけて準備しよう」と専門家にも相談していたんです。しかし、昨年末にキャッシュアウト寸前の深刻な経営危機に直面しまして。銀行からの融資の条件として事業承継を提示されたことで、予定を2年前倒しして退路を断つ決断をしました。

鍬田: まさに「スクランブル承継」ですね。業績が厳しい中での引き継ぎには、相当な覚悟が必要だったのではないですか?

安岡: 正直、この半年で「私じゃなくてもいいのではないか」と2回ほど心が折れそうになりました。私は美容師免許を持っていない「非美容師」ですし、現場の技術がわからない自分に再建ができるのかという不安との戦いでした。

2. 創業者である父との葛藤、そして妹との「6時間の対話」

鍬田: 先代とのコミュニケーションで苦労された点はありますか?

安岡: 親子だからこそ、経営の根幹という一番大事な話ができないもどかしさがありました。父はかつて50人の従業員を抱え、3年ごとに店舗を出すような華やかな時代を築いてきましたが、その先の「繋いでいくビジョン」が私には見えず、不安だったんです。

鍬田: その葛藤をどう乗り越えたのでしょう。

安岡: 同じく起業家である実妹の桜子との対話が大きかったです。二人で6時間、食事も取らずに泣きながら話し合いました。「お姉ちゃんがやらないなら私もやらない。覚悟があるのか」と妹に突きつけられ、彼女が取締役として支えてくれると決まったことで、ようやく腹が括れました。

3. 「変えたこと」と「守り抜くもの」

鍬田: 承継後、わずか半年で様々な改革に着手されていますね。

安岡: まずは徹底した収益構造の改善です。30年来の付き合いがあったディーラーさんとの取引を見直すのは苦渋の決断でしたが、コスト削減のために踏み切りました。他にも、客数に頼りすぎないよう値上げを実施したり、自社ビルの空きスペースを活かしたピラティススタジオの運営(7月オープン)を始めたりと、ストック収入の確保に動いています。

鍬田: 一方で、あえて変えずに守り続けるものは何でしょうか。

安岡: 父が36年間大切にしてきた「紳士(誠実)」という精神、そして長年築いてきた地域の歴史と繋がりです。これらを一心に背負い、さらに発展させていきたいと考えています。

4. 湘南のライフスタイルブランドを目指して

鍬田: これからの展望についてお聞かせください。

安岡: 単なる美容室ではなく、「湘南のライフスタイルブランド」を創りたいと思っています。高齢化が進む中で、髪を整えるだけでなく、健康やコミュニティ、人との繋がりを提供し、人生の後半戦をより豊かに楽しく過ごせる場所をプロデュースしたいんです。

鍬田: 素晴らしいですね。私の関わっているプラセンタの学会や、新規事業の補助金支援なども、安岡さんの掲げる「健康と美容のアップデート」に役立てるかもしれません。

安岡: ありがとうございます。美容師ではない私だからこそ見える視点を武器に、この歴史を次世代へと繋いでいきます。


対談を終えて 創業者の熱い時代を知りながらも、数字に基づいた「MG研修(マネジメントゲーム)」を取り入れ、スタッフと共に学び、会社を筋肉質に変えようとする安岡さん。その姿勢からは、伝統を重んじつつも停滞を許さない、3代目としてのしなやかな強さが感じられました。

鍬田: ぜひ一緒に進めていきましょう。今後、他の3代目経営者の方々とも繋がりを広げ、このメディアを通じて変革の輪を広げていければと思います。

時代に合わせてイノベーションポイント

  1. 第三者視点を経営に活かす
    • 美容師ではない経営者だからこその客観的な視点で、新たな価値を創出する。
  2. 数字に基づく経営改革
    • MG研修(マネジメントゲーム)を導入し、感覚ではなく数字で判断する経営へ転換する。
  3. 社員教育と組織力の強化
    • スタッフ全員が経営感覚を学び、利益を生み出せる組織づくりを進める。
  4. 伝統を守りながら変革を続ける
    • 創業の理念を継承しつつ、新しい経営手法を積極的に取り入れ、持続的な成長を実現する。

住所:神奈川県平塚市夕陽ヶ丘4-15
TEL:0463-25-4320


現在クラウドファンディグに挑戦中
https://cf2026.ai-yasuoka.com/


この記事を書いた人:鍬田 和彦(くわた かずひこ)

3RD 編集長 / ブランドプロデューサー / M&Aバリューアップディレクター

企業のブランド価値向上を専門とし、デザイン・ブランディング・マーケティング・M&Aを掛け合わせた企業成長支援を行う。

「100年企業は日本の宝」という想いのもと、次世代へ事業を受け継ぐ経営者や、3代目・4代目の挑戦を取材・発信するWEBメディア「3RD」を運営。企業の歴史や理念だけでなく、その先にある未来へのビジョンを伝えることを使命としている。


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